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暴力団の襲撃凶悪化/トヨタ九州工場/「協力金」払わぬゼネコン標的
トヨタ自動車九州小倉工場(福岡県苅田町など)で9月、手投げ弾とみられる爆発物が投げ込まれた事件で、工場を建設した大手ゼネコンに対する暴力団関係者の報復との見方が強まっている。このゼネコンは別の工事を巡って、暴力団関係者から要求された協力金の支払いを拒否したという。県内では暴力団との決別を進めるゼネコン側への発砲、襲撃が相次いでおり、県警は捜査態勢を増強し警戒を強めている。

 調べでは、トヨタ工場には手投げ弾が投げ込まれた9月15日の朝、不審な男から「今後も(工場を建設した大手ゼネコンを)使ったら爆発させますよ」と電話があった。このゼネコンは暴力団への「協力金」提供など、不明朗な関係を持たないよう徹底を図っていることが業界で知られているという。

 企業倫理が厳しく問われる風潮の中で、暴力団排除の動きは建設業界で広がりをみせている。暴力団関係者は同工場建設に絡んで、このゼネコン側に億単位のカネを要求したとされており、県警幹部は「トヨタの事件は見せしめの意味合いがあった」と指摘する。

 県警によると、暴力団は地元で大きな工事があった場合、受注額の数%を協力金などの名目で施工会社に求めたり、関連の建設業者を下請けに入れるよう強要するケースがある。福岡では、かつては受注額の1〜5%を地元対策費の名目で暴力団側に支払う“ルール”もあったとされる。ゼネコン側はこうした悪習を絶つ動きが加速しており、県内では06年からゼネコンの事務所などへの発砲、襲撃事件が相次ぎ、次第に凶悪化している。

 捜査員によると、人に危害が出そうな緊迫した情報が水面下で流れた時期もあったという。一連の発砲、襲撃とは無関係とされる県内の暴力団関係者は「これだけ壁撃ち(建物などへの発砲)が続発していると、さらにエスカレートする」と危惧(きぐ)する。

 一方、県警は昨年末に約40人の専従チームを結成。会社や工場などに最新の防犯カメラシステムを設置するよう業界に呼びかける方針だ。行政も危機感を強めており、北九州市の北橋健治市長は企業誘致や観光面で「街全体のイメージ失墜を憂慮している」と強く懸念。市内の建設業者らは8日、暴力追放集会を開き、き然とした姿勢で臨む意向を示す。さらに、暴力団との交際が判明した建設業者の指名停止期間を現行の最低1年から延長する考えも表明している。

   ◆県内で建設会社が襲撃された主な事件◆

06年12月4日 清水建設九州支店が入居するビルに発砲(福岡市)

       5日 熊谷組九州支店、浅沼組北九州営業所などに発砲(福岡、北九州市)

07年2月26日 清水建設が施工したビルに発砲(北九州市)

  11月13日ごろトヨタ自動車九州小倉工場の清水建設現場事務所で放火(北九州市)

     27日 清水建設などの共同企業体事務所に発砲(北九州市)

  12月10日 清水建設の子会社に発砲(福岡市)

      13日 大林組の下請け建設会社社長が刺傷、後に死亡(北九州市)

08年1月17日 大林組九州支店前で同社の車に発砲(福岡市)




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